TERRY THE AKI-06 と出会うんです。彼との出会いが、関西のアーティストとの繋がりのきっかけとなって今に至るって端折れるくらいスタートポイントがテリー君。窪塚洋介インタビュー(5/5)
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窪塚洋介/卍LINE/Reggae DeeJay/俳優
信
TERRY THE AKI-06 と出会うんです。彼との出会いが、関西のアーティストとの繋がりのきっかけとなって今に至るって端折れるくらいスタートポイントがテリー君。
最初に大阪と縁ができたのは、前の嫁との出会い。その頃、時間も金もあって、マガチンにくっついて地方のイベントによく行ってたんです。小旅行もしながらのんびりホゲ旅行。(笑聲)大阪にまだマザーホールがあった時遊びに行って、ファイヤーBだったかな?SHAKKAZOMBIEとかもいたと思うんだけど、ヒップホップとレゲエがミックスされた大きいイベントがあった時、そこに前の嫁がダンサーとして出演していて知り合ったんです。『GO』やって『ピンポン』やった2002年頃、俺が23歳だから15年前。それが関西人といわれる人間と深く関わった最初の記憶。前の嫁と出会った事によって、TERRY THE AKI-06 と出会うんです。彼との出会いが、関西のアーティストとの繋がりのきっかけとなって今に至るって端折れるくらいスタートポイントがテリー君でありテリー君達、そして周りにいた仲間。未だに俺が現在進行系でリンクしている人達だしね。ただやっぱり当時より今のほうが仲良くなってる。テリー君の友達の俺としてではなく、俺とその人としてリンクしてる。必然なのか偶然なのかって言っちゃうと、この世に偶然はないと思ってる方なんで、必然だったとは思うけど。311があって子供も小さかったから、この状況で関東で子育てして一緒に成長していくのは正直キツイなって直感で思ったんだ。あの時、俺フランスのパリにいたんですけど、ちょうど地震が起きた時に超タイムリーでTwitter見てたんです。「わぁ地震だ、やべぇー超でかいよ」って、そんな状況の中、311に突入して行くんですよ。あのタイミングのみんなのパニくり具合は遠隔でオンタイムでずっと見てたから、これ直感でやべーってなって嫁に「吉野山に仲間がいるからすぐ避難しろ」って。それで1日、2日後には荷物をまとめさせて出発させたんです。俺もパリから関空に飛んで、吉野山で合流したんだ。だから311が無かったら関西には絶対来ていないし、俺の背中を押してくれたのは、奇しくもピンチの311っていう原発の事故だった。結果、それがあったから次のステージがあって、今の嫁との出会いもそうだし、*『サイレンス』だったり、6枚目のアルバム「福流縁」だったりっていうことの土台になっていった。縁というか不思議なもんだなって。
アメ村って泉からどんどん毎日新曲が湧き上がってくるみたいな場所のイメージがある。先輩も後輩もみんな同じ鍋の中で煮立てられて切磋琢磨して、やっぱりすごく層が厚いし良いアーティストが多い。
土地の波長なのか、絶対的に大阪にいって開運したんです。よくいうのは、’’関東は武士文化で関西は商人文化’’。関東は”此処で会ったが百年目”で関西は”袖振り合うも多生の縁”。マインドが全然違うのは、そこに住んでいる人たちの種類が違うというか職種によるところが大きかったとはいうけど、俺は関東でもわざとボケてコンビニでまけて!とか、「ちょっと3円で買わせて下さい」とかってふざけてるんです。(笑聲)流石に関西で話したら、「誰もコンビニで値切らへんで」とか言われてたけど。(笑聲)でもそういうコミュニケーションが好きだった。もしかしたらもともと関西っぽいところがあったのかもしれない。音楽シーンでいうとアメ村って泉からどんどん毎日新曲が湧き上がってくるみたいな場所のイメージがある。先輩も後輩もみんな同じ鍋の中で煮立てられて切磋琢磨して、やっぱりすごく層が厚いし良いアーティストが多い。大阪から学んで成長できたことは大きいし、開運もさせてもらった第二の故郷だと思ってる。ヨコスカンサイウラニワっていう思いが強い。
町自体大きい町じゃないけどヒップホップやってようがロックやってようがレゲエやってようがやっぱり一つの町の住人だからみんな同じ船に乗ってる感覚がある。そんな場所だから特殊なパワーがあると思う。
俺は、横須賀生まれ横須賀育ちで生粋の横須賀っ子。京浜急行って赤い電車なんですけど、本当中学くらいまで世の中の電車は全部赤いと思ってたし、バスは全部青くて、赤いストライプ入ってるて思ってたし、それこそこの言い方でいうと親父の車の運転が世界で一番上手いと思ってた。その目線が当たり前で、子供が大人になっていく。だから電車に乗って外国人が乗ってるとか友達に外国人がいるとかが別に変わったことじゃない土地だったから、それが知らぬ間に自分の中にあるボーダレスな感覚を育んでくれる場所だったのかなと思う。町自体大きい町じゃないけどヒップホップやってようがロックやってようがレゲエやってようがやっぱり一つの町の住人だからみんな同じ船に乗ってる感覚がある。そんな場所だから特殊なパワーがあると思う。例えば俺の出身校って小泉さんが出てたり、小柴さんもいるんです。政治家もいるし学者もいる、こんなレゲエDJ兼俳優もいたりとか色々な奴が出やすい場所だった。ボーダレスな感覚が養われる場所なんだと思う。
俺はルーツアンドカルチャーって言葉が好きで、自分のルーツを忘れちゃいけないっていうことを凄く大事にしてる。
俺はルーツアンドカルチャーって言葉が好きで、自分のルーツを忘れちゃいけないっていうことを凄く大事にしてる。例えばストリート代表みたいな感じで雑誌に書かれたりする事があっても、俺は決してストリートから出てきた人間ではないし、自分そのままで生きてきたらストリートカルチャーに出会って、ストリートの人達に出会って、不良のパイセンたちに会って、優良っていう言い方しないと思うけど、そういう奴等にも会って色んな人達に会って、いろんな事があって、自分の取ったバランスが今ここにあるって感じなんです。
どんな役でもやるってことはどんな靴でも履く可能性がある。そうするとどんなファッションでも着られるようにしてなきゃ駄目なんです。もちろんいろんな格好するのが好きだったけど、いろんな格好することで変わるマインドだったり、着こなし方だったりで修行してた。
ファッションアイコンって言われるのは、いつの間にかそうしてもらったっていうか、ストリートの件も、いつの間にか雑誌によってそういうイメージがついたっていうタイプだと思う。でも別に嫌な気がしないのは、そこにいる人たち、そこにあるマインドが格好良いもんだから、「あーそういう風に見てくれてるんだ」嬉しいなって思うし、全然嫌な気はしない。ただその自分からそういう風に発信してるわけじゃないし、そこはさっきのルーツアンドカルチャーじゃないですけど、わきまえてるというか、自分の線引きはある。あのね、本当にいろんな服を着てきたなと思ってて、特に高校時代とかは。二十歳の時に本にも書いたんだけど、スニーカーも履くし、ビーサンも履くし、エンジニアブーツも履くし、ラバーソールも履くしっていうくらい違う格好をしてた。それはどこかで役者になる練習でもあったんだです。どんな役でもやるってことはどんな靴でも履く可能性がある。そうするとどんなファッションでも着られるようにしてなきゃ駄目なんです。もちろんいろんな格好するのが好きだったけど、いろんな格好することで変わるマインドだったり、着こなし方だったりで修行してた。
何着てもいいと思うんです。着る奴の問題であって、誰が着るかっていう方が、何を着るかよりも絶対大事だとは思う。
今のファッションはカオスで、僕等の小さい時はもっと解りやすかった。俺がSUPREME着てレゲエやってるってことをSUPREME的には想定外だったと思うし、でも気が付けばレゲエの若手のアーティストでSUPREME着てパフォーマンスする奴等もいるし、そういうのは言葉みたいな感じ、生き物というか、SUPREME自体もモードに火がついてモード系の奴等も着るようになったり、もともとNYのスケーターが着てたブランドが、ヴィトンまで届いちゃうすごく可能性があるカオス。何着てもいいと思うんです。着る奴の問題であって、誰が着るかっていう方が、何を着るかよりも絶対大事だとは思う。俺はSUPREMEだったり、DUPPIESだったり、MASTERPIECE(M.V.P.)とか作り手の事を知ってて、その人たちが格好良いっていう服を着てたいなと思う。
特にドメスティックのものは知らないブランドだったら頼まれても着なかった。それは変に意固地になってた俺の周りの仲間の服の方が格好いいっていうプライドもあった。
改めてWACKO MARIAとの出会いは自分にとっては珍しいんですけど、新しく自分のファミリーになれるなと思ったブランドだったし、それはやっぱりその会社の社長や仲間たちを見て感じて、一緒にイベントやってみて解る事だから。そこまでいってやっと「あーここの服カッコいい」ってなる。それこそ言葉ではなんとでも言えて、やっぱり行動が全て。行動できるファッションブランドというか、行動で見せてくれる格好良さだったり、気持ちだったりとかひっくるめて仲良くなる。その辺のハードルは今までは特に高かったかもしれない。特にドメスティックのものは知らないブランドだったら金積まれて頼まれても着なかった。それは変に意固地になってた俺の周りの仲間の服の方が格好いいっていうプライドもあった。今となってはそこもだんだん変わってきて、まだ見ぬそのファミリー、仲間がいるなって思ったところに現れたWACKO MARIAだったんですね。こういうきっかけで、タイミングで来たって事はガイダンスだなと思って、やっぱり受けてみたら波長があって、服とも合うし、会社とも合う。「じゃあイベントやってみようよ」ってなるし、やってみたら楽しかったし、どんどん仲良くなっていくって感じ。やっぱりその人が見える、ヴァイブスが解るものを着たい。
あっち側が求めているものに合わせて作品を作り出したら終わりだと思うんです。そうではなくてこっちは「これを聴いてくれ!やばいから聴いて!」って言う方が絶対いいよね。窪塚洋介インタビュー(4/5)☞戻る
凄くピュアでストレートな愛。嫁に対して、子供に対しての愛を唄うってとこに落ち着いた。窪塚洋介インタビュー(1/5)☞戻る
*マガチン:
真柄 尚武 / NAOTAKE MAGARA。90年代からより東京のストリートカルチャーを牽引し続ける東京最重要人物の1人。”VINTAGE KING” “real mad HECTIC” “MASTERPIECE”等のバイヤー/プロデュースを経て、2011年にオリジナルブランドである “M.V.P.”を中心としたセレクトショップ”A-1 CLOTHING”を立ち上げた。また、マスターピース名義でDJ活動も行っている。
*マザーホール:
MOTHER HALL(マザー・ホール)。かつて大阪なんば千日前にあった大型モンスタークラブ。
*ファイヤーB:
SUPER CRISS, CHOZEN LEE, JUN 4 SHOT, TRUTHFUL a.k.a. STICKOの類まれな4つの個性のアンサンブルでリアルミュージックを体現するレゲエ・アーティスト・グループ。横浜を拠点に世界的に活躍するレゲエサウンド、MIGHTY CROWNに所属するソロアーティスト同士が「一つのステージを創る」ことを目的に1997年にFIRE BALLを結成。
*SHAKKAZOMBIE:
日本の90年代を代表するHip Hopグループ。1996年、cutting edgeよりメジャーデビュー。代表曲に「空を取り戻した日」「虹」など。BUDDHA BRAND(ブッダブランド)とのユニット「大神」の『大怪我』やロックバンドBRAHMANとのコラボ楽曲『KOKORO WARP』など多岐にわたる活動でも有名。
*サイレンス:
遠藤周作の小説「沈黙」を、「ディパーテッド」「タクシードライバー」の巨匠マーティン・スコセッシが映画化したヒューマンドラマ。キリシタンの弾圧が行われていた江戸初期の日本に渡ってきたポルトガル人宣教師の目を通し、人間にとって大切なものか、人間の弱さとは何かを描き出した。主人公ロドリゴ役を「アメイジング・スパイダーマン」のアンドリュー・ガーフィールドが演じた。そのほか「シンドラーのリスト」のリーアム・ニーソン、「スター・ウォーズ フォースの覚醒」のアダム・ドライバーらが共演。キチジロー役の窪塚洋介をはじめ、浅野忠信、イッセー尾形、塚本晋也、小松菜奈、加瀬亮、笈田ヨシといった日本人キャストが出演する。
*小泉さん:
小泉純一郎(こいずみ じゅんいちろう、1942年1月8日 – )とは、日本の政治家である。日本国 第87・88・89代内閣総理大臣。神奈川県横須賀市出身。長男は俳優の小泉孝太郎。次男は自由民主党所属の衆議院議員・小泉進次郎である。歴代総理大臣として初めての写真集出版や映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』にウルトラマンキングの声優として出演するなど、リチャード・ギア似の甘いマスクと型破りなスタイルで人気を博した。
*小柴さん:
小柴 昌俊(こしば まさとし、1926年(大正15年)9月19日 – )は、日本の物理学者・天文学者。1987年、自らが設計を指導・監督したカミオカンデによって史上初めて自然に発生したニュートリノの観測に成功したことにより、2002年にノーベル物理学賞を受賞した。日本学士院会員。
強烈な個性と信念でシーンに一石を投じ続ける男。卍LINE a.k.a. 窪塚洋介の哲学を五行(仁義礼智信)で紐解く。世の中の誤解と不条理に対する卍流“愛”の形から見えてくる答えがある。「我のみ知る道、愛を持って」
Name: 卍LINE / a.k.a. 窪塚洋介
DOB: 1979
POB: 横須賀、日本
Occupation: Reggae DeeJay / Actor
http://www.manjiline-amatorecordz.com/
https://twitter.com/amatorecordz
https://www.instagram.com/yosuke_kubozuka/
https://lineblog.me/kubozukayosuke/
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