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MAFT SAI

April 12, 2019

デジタル音楽の便利さというメリットの反面、音楽を見つけるまでのストーリー性や過程が失われてしまうというデメリットがあるのではないかと思うわけです。

私は音楽をダウンロードして聞くタイプの人間ではありません。あまり使い慣れない感じがするのです。デジタルの便利さの一つとして中毒性を持たせられるというメリットがあります。同時に簡単かつ大量に手に入りますから商品自体の価値は薄く感じられてしまうのかもしれません。音楽を見つけるまでのストーリー性や過程が失われてしまうというデメリットがあるのではないかと思うわけです。円盤だった頃は見つける過程やキッカケで遭遇する事柄や出会いがあった。円盤1枚1枚に物語がありました。

タイでは円盤を買って音楽を娯楽として楽しめるのは一部の富裕層だけでした。一般の庶民達はそんな娯楽に手が届かなかったわけです。または商業主に向けて販売され、商業主は別の形で一般の人達に向けて音楽を提供していました。例えばレストランやカラオケいわゆる昔ジュークボックスが置かれていた飲食店等がこれに当たります。これらのお店がイサーン音楽の円盤を購入し一般のイサーン庶民に聴かせていたわけです。

音楽で共通の好みを持つ2人が偶然出会った。ある日レコ屋へ行ったら同じ好みのバイヤーに出会うって体験あるでしょう?私達もそうだよ。(笑聲)

クリスとはとあるレコードショップで初めて出会いました。ポータブルプレーヤーを持参してお互いレコードを掘っていました。そして4時間後に別の場所でまた会ったのです。(笑聲)お互い相手に何を買ったのか?どんなものを集めているのか?そんな事を聞き合ったりしました。不思議なことにお互い似通ったものを買い、実はロンドンに共通の友達がいる事も知りました。私達にはたくさん共通の友人がいて意気投合したのです。ある日、彼が私の家を訪ねてきました。音楽を聴いたりし、レゲエ、ファンク、他にも色んな音楽について情報を交換し合いました。全てが新鮮で本当に良い時間を過ごしました。そんな中、お互いが興味のある音楽で新しいパーティー創る考えに至ったのです。私達は主にモーラムやルークトゥンのイメージが強いですが、アフリカやその他、世界中の音楽を集めていましたから。全く新しいものが創造できると考えたのです。

つまりイベントはとても小さく当時はたった2人で全部やっていたって事さ。

私達は2009年に「Paradise Bangkok」を始めました。既に「ZudRangMa Records」はありましたからパーティーはレーベルの後になりますね。「Paradise Bangkok」はダンスフロア向けでDJライクな楽曲にフォーカスしています。有名ではなくてもヘヴィな音を中心に。当初スタッフは特に集めていなかったし全て自力でやったんだ。グラフィックも全てだ。Chris Menistが音を担当し私がアートワーク担当だった。音源に関してクリスは曲を書いたし、ライセンスは私がやったしマーケティングは2人で行った。マスタリングはよく一緒にやったね。つまりイベントはとても小さく当時はたった2人で全部やっていたって事さ。お互いの強みを生かす関係なのです。今はスタッフが増えたが、スタジオラムのブッキングは未だに私がやっている。

「ZudRangMa」は英訳するとマキシマム・ホース・エンジン(最高馬力)という意味。円盤を堀に田舎で車を走らせていた時の話が由来、こんな話さ。

「Zudrangma」は英訳するとマキシマム・ホース・エンジン(最高馬力)という意味になります。由来は昔県外へ円盤を掘りに行った時に得たアイディアなのです。田舎道を車で走っていた時、目の前を一台のトラックが横切りました。そのリヤガラスに「Zudrangma」というシールが貼ってあってね。これは良いなと。これから地方の音をもっと外の世界へ広げようと着目していた私のコンセプトとの関連性を強く感じたのです。この田舎のトラックもここから中心部のバンコクへと向かって何かを運び出して行くのだなと思い。私の想いを田舎のトラックドライバーに見立てエッセンスとして含ませようと考えたのです。意味も私が今からやろうとしているプロジェクトで最高の馬力を出して成功させるという気持ちを込めて。

設立当時は*Hua Chang(フアチャーン)というSiam(サイアム)近辺でした。その後、トンロー通りのソイ20のあたりJamjant Street(チェムチャン通り)に移設しました。当時はレーベルのみ立ち上げたばかりでレーベル名も「Elephant Head」という名前でロケーション名をそのまま英訳した言葉です。まだ店舗として機能する前の事です。1年ほど運営しました。小さなお店でカフェやDJスペースもあるレコ屋というスタイルだった。しかし場所が少し悪かったんだ。その周辺に結構チンピラみたいな子達が多くて薬とかシンナーとか吸う悪ガキがたくさんいるエリアだった。店に来るお客さん達にもお金をせびりに来たりして危険な地域で被害が及ぶのを恐れて移動したのです。「Elephant Head」では在庫が増える一方でスペース的に問題がでてきた。その頃ちょうど友人が空き物件があるからどうかと紹介してくれたのです。物件の内見に行ったら4階建のビルでこれなら大量の在庫も保管出来るし色々と使えそうだしと思ってレンタルしたのが今のこの場所です。こうして今スクンビット51通りへ引っ越して来てからは、約8年になります。

アンプやサウンドシステムに関してはマーケットに足を運び私自身が探しながら選択購入します。サウンドシステムはお店に設置し良い音が見つかるまで試行錯誤します。ストレスを感じればまた別の機材を購入します。(笑聲)それぞれの分野にコレクターや集団が存在しますから、探すこと自体は苦労しない。ただ、私の場合、サウンドシステムにももちろん気を配りますが、鳴っている音そのもののクオリティーや音楽自体を重視している。

*Hua Chang(フアチャーン):
タイ語で「象の頭」の意。

 

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